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生活

コレクションとしてのハシビロコウ

 ハシビロコウとをコレクションするといっても、物理的にというわけではない。

 記憶としてコレクションするということだ。

 コレクションとしてのバードウォッチングと一緒。

 ハシビロコウには愛着がある。初めて見たのは35年くらい前、伊豆シャボテン公園で。1990年くらいか。

 小学生のころ家族旅行で連れて行ってもらったのだった。

 動かなくて本当に置物と思った。

 当時はネットもSNSもなかったので、動かない鳥であるという予備知識はなかったが、本当に動かないなと思った。

 懐かしくなって10年位前に再び伊豆シャボテン公園へ。

 結婚してから子供ができるまでの間、少し金銭的な余裕ができるもので、その思い出回収としてよく国内旅行した時期だ。誰にでも訪れる時期と思う。

 ネットで調べると、35年前も10年前同じ「ビル」という名のハシビロコウだと判明した。

 今度は動かない鳥であるという先入観から見ているので、置物と間違えるほど動かなくはないな、という印象であった。

 そのビルが2020年に亡くなり、また当時を思い出したのだった。

 ビル爺、と呼ばれておきながら亡くなった後にメスだったと判明したとのこと。

 動物園にいるのにそんなことがあるのか。卵とか産まなかったのか。

 ということでハシビロコウには愛着がある。我が家にはハシビロコウグッズがちらほらある。海洋堂のフィギャアとか。

 日本全国で何か所でしか見られないようで、逆に言えばコレクションとしての制覇難易度は低い。

 昨日、神戸どうぶつ王国に行ったが、そこに2羽いた。やはり、全然動かない、ということはないという印象。

 これまでのコレクションとしては、静岡県の掛川花鳥園、島根県松江の松江フォーゲルパーク。神戸どうぶつ王国も少し前まで神戸花鳥園という名前で営業していたが、これらは元々運営母体が一緒だったようだ。

 加茂グループ。ハシビロコウに愛着があったのか、飼育のノウハウがあったのか、縁があるのだろう。

 そして、明るい廃墟でおなじみ、ピエリ守山のめっちゃさわれる動物園。

 ここはトラブルがあったようで、今は閉園している。

 移動動物園の移動しない版といった感じで、ハシビロコウも放し飼い状態だった気がする。

 この動物園はショッピングモール内にあったということで画期的だった。

 放し飼いではないがライオンもいた。テープで流されているのでは、と思ってしまうほどの、おなじみのライオンの声で唸っていた。

 痩せており、ウロウロしていたので、狭いスペースでストレスを抱えていたように見えなくもなかった。

 ピエリ守山にいたハシビロコウは松江フォーゲルパークへ移動したという情報もあるが、はっきりしたことはわからない。同じハシビロコウだったのだろうか。

 案外せまいハシビロコウネットワーク。