有休をとれたので平日だからこそのところへ行きたい。
石山のうなぎと鯉の店「ちか定」。
11時30分オープンのところ10時20分に行く。
私が一番。
10時30分扉が開き、名前記入用のボードを出してくれる。
名前を書くと、11時30分に来てください、と言われる。
後ろにはビジネス姿の男性が一人並んでいた。
近くのコメダ珈琲でたっぷりサイズのアイスコーヒーを注文し時間をつぶす。
モーニングとして無料でトーストがつくのを忘れていた。
これからうなぎなのにどうしようか迷ったが、イチゴジャムを塗ったパンも優雅な朝には捨てがたく、注文した。
店内は混んでいるわけでもなく、心地よいくらいの人数。
週刊文春と新聞をパラパラと読み過ごす。
週刊文春は今考えると炎上商法の先駆けか。
先駆けというよりかメジャーにしたというか。
「文春砲」は誰が名付けたのだろう。
「黒田バズーカ」なんて言葉もあった。関係ないか。
週刊文春は、パラパラと読むにはちょうど良い。
政治ネタから芸能ネタまで。インテリが運営しているのだろう。ずっと遡ると菊池寛。
東海林さだおの『タンマ君』も。これでもかというくらいにシンプルなタッチ。
そうこうしているうちに11時25分となり、「ちか定」へ向かう。
店に着くと15人くらいが集まっていた。
記入順に呼ばれるので、並んではいない。
30分になり、一番に呼ばれるはずなのでドキドキしながらリアクションを考える。
当たり前だが一番に呼ばれ、考えた通りに会釈をしながら少しだけ手を挙げそそくさと店内へ入った。
うな重(月)(松竹梅でいうところの竹)と、鯉さしみを注文。
炭火で焼くのだと思うが、20分くらいで出てきた。
老舗のうなぎは出てくるのが遅いイメージだが、ちょうどよいくらいだ。
時代だが、スマホさえあればまったく苦ではない。
うなぎはと言うと身はふっくらで皮はぱりぱりだった。
これはスーパーのうなぎばかり食べていた私にとっては初めての食感だった。
脳内では、皮もふわふわの想定なので嚙み切りにくかった。
熱々なのに皮が簡単に噛みきれないものだから、口の中が熱々になった。
関西風の良いうなぎはこういうものか。
関東風は一度蒸すので皮もふわふわのはず。
食べるのに慣れが必要と感じた。
一口サイズに切ってから口の中に入れれば良かったかもしれない。
皮の香ばしさと相まっておいしかった。
また、驚いたのが山椒の色。緑が鮮やか。
エスビーの山椒やスーパーの付属の山椒はグレーのイメージだが、この山椒はインスタ映えしそうなグリーンだった。
鯉のさしみも臭みは全くなくおいしかった。
酢味噌で食べたが、醬油とわさびでも試して海の魚と比べたかった。
海の魚と比べて遜色無い、などと言ったら、海の魚のほうがおいしいという前提になってしまうが、純粋に食べ比べてみたい。
海の魚を酢味噌で食べてみたらよいのか。ハマチを酢味噌で。
客層は、年配のご夫婦と思われる2人組が多かった。
悠々自適に旅しながらおいしいものを食べるのは理想の老後だ。