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近現代詩

恋INGの歌詞と文章把握能力

『恋ING』はモーニング娘。のB面の曲だ。

B面というか、カップリングの曲だ。

学生の頃モーニング娘。が好きで、曲をよく聞いていた。

これってデートなんだよね、はデートに慣れていない若者を描写するよくあるテーマだ。

つんくが関わっているので歌詞もよく読んでいた。

『恋ING』という曲はあまり知られていないがファンの間では人気があるようだ。

音楽も好きだが、この曲の歌詞は文章把握力があるかないかを測れるものと思う。

どんな風に呼べば良いのかわかんないから 近寄って 話しかけてる 私って性格まで変わったわ

アイドルの曲の1番の頭の歌詞だ。

つんくがアイドルの曲として書いているので、伝わるだろう、ということで作っているに違いない。

ということは、わからないとなると文章認識能力が低いということになるだろう。

お察しの通り、私はこの歌詞の意味が自力ではわからず、ネットなどを検索して理解した。

このような経験があって、私は文章を把握する能力や行間を読む力が弱いのだ、ということを認識した。

空気を読む力も弱い気がする。

この曲は、初々しい関係の男女がいて、女性が男性に想いを寄せているが、あだ名などで呼び合うような関係になっていないし、苗字で鈴木君などと呼ぶのも変なので、わざわざ隣に行って「、ねえ」などと話しかけているということなのだろう。

なんとほろ苦い情景だろうか。

文学という感じがする。

そんなほろ苦な青春の一コマをつんく(寺田さん)というおじさんが書いている。

つんくの作詞というのは面白いものがよくある。

例えばこの曲の2番の頭は以下のようになっている。

買い物することになったわ これってデートなんだよね

一方で、買い物することになったわの「わ」。

これがいかにも1番と文字数を合わせなければならないので、とってつけたようなものになっている。

ではどうすればよかったのか、と言われればわからないので歯切れが悪いが、推敲に時間を使う人なら、文字数合わせ感が出ないようにもう少し考えるのではないか。

つんくの歌詞は、おそらく膨大に曲と歌詞を用意しなければならず、あまり推敲に時間をかけず直感を重視してどんどん生み出していったものなのだろう。

そんな締め切りに追われた漫画家、作家のような破れかぶれ感が感じとれるのが逆に芸術性を高めていると思う。