哲学をかじってきて、圧倒的に分かりやすいと思ったのは東浩紀だ。
デリダで博士論文を書いた人なのだから、わざとずらしてわかりにくく論じそうなものだが、恐るべきことにわかりやすい。
大学教授の地位を捨て、会社を立ち上げ、精力的に活動しているのが凄い。
Xへの投稿も多くタイムリーで面白い。
それなのに、先生という感じではなくいじられキャラのような扱いになっている。
こんな人は他にいないと思う。
ロック界で言えばジェフベックみたいに孤高な存在だが、大衆との距離感が近い点が違う。
結局のところ私は東浩紀のようになりたかった。
哲学の専門家で、批評もできて、小説も書けて、英語もできて、大学の教授もやって、会社をつくって、社長もやって、賞ももらって、国語の便覧にも載っていて評価もされている。
しかし、それほど満足しているようには見えない。
一所懸命、本を読んで哲学を勉強して、注目を浴びても満足できないのなら、仮に私が哲学を極めていて、大学教授になって、社長になっても満足できないのだろう。
自分なりの満足と幸せを追うしかない。