私は2004年度に早稲田大学に学士号を与えられた。
今思えば嘘みたいな話だ。
4年生の時はほとんど授業に出なくても卒業できるので、勉強していたのは丸3年プラスアルファだ。
3年で経済学の何がわかるのか。
経済学もわからないし、社会もわからない。
経済学科のゼミに所属して、論文についてはアイドルの消費について扱った。
経済学というよりかは社会学に寄って行ったと言って良い。
東浩紀の「動物化するポストモダン」が2001年で、これは同じゼミに所属していた人と雑談していた中で進められた本で、あの本で同じようなテーマを扱っていたよ、と言われて読んだのだった。
その所属していたゼミは教養ゼミと言われるもので、堀口健治先生の農業政策のゼミだ。
当時農業に興味があったため所属したが、夏休みに農業体験を行い、かなりの重労働であったため今日まで、農業って大変だな、と思っている。
老後はのんびりと農業を、みたいな考えもあるかと思うがとんでもない。
美味しい食事や美味しいお酒を振る舞われたが、やはり農業の実作業が大変だった。
田植えの手伝いをしたのだったか。
TOKIOがテレビで同じようなことをしていたが、かなりの重労働のため、アイドルがあんなことやってと頭が下がる思いだ。
農業体験は新潟だったか。
皆でムーンライトえちごで行って、夜もお酒を飲んで車内で騒がしくしていたためお客さんに怒られた思い出がある。
その節は世間知らずであったため申し訳なく、反省している。
その話はさておき、「動物化するポストモダン」を教えてくれた人は政治学科の人だ。
政治経済学部の教養ゼミは政治学科の人と経済学科の人が一緒のゼミに所属するという意味で、大変希少だ。
特に経済学科の人間にとっては。
政治学科の人は人数も少なくエリートだ。
そんな人たちと親密になれるのだからありがたい話だ。
たしか俵万智も佐佐木幸綱先生の教養ゼミ所属だったのではなかったか。
私にもそのゼミのを専攻する権利はあったはずだが、人気ゼミだということであきらめたか落選するのが怖かったかで、縁がなかった。
「動物化するポストモダン」は面白かった。
わかりやすかったし、当時のネット界隈をばっちり捉えていると思った。
この本の面白さに魅了され、東浩紀に魅了されることになった。
「存在論的、郵便的」にも手を伸ばした。
これも完璧に理解できたとは思わないが、当時の他の哲学書に比べると読みやすかった。
3年生になり専門ゼミに所属し、私はアイドルの消費について論じることにした。
モーニング娘。界隈を観察の対象にした。
悔やまれるのは、当時のモーニング娘。はすでに国民的アイドルの地位にあった。
その時から興味を持ったので、オーディションでの選考とかはリアルタイムでみていなかった。
後追いで、2chで話題になっているし、音楽もロック好きのつんくが作っており曲も歌詞も面白いということでハマった。
メンバーのテレビやラジオなどの言動をネタとして2chで二次創作として妄想の物語も投稿されたりして、これぞネット時代のアイドルの消費であり、「動物化するポストモダン」も同じ論調で東浩紀はすごいと思うようになった。
すごいと思った点は、現在の消費社会はこのようになっている、だから将来このようになるだろう、と予測できるということだ。
結局哲学とはこういうことで、世界はこうなっています、だから将来はこうなると予想されます、ということを論ずる学問だと思う。
いや、将来はこうなります、あるいはこういう感じになったらこうなります、ということを言うのは応用哲学、哲学工学とでも言ったら良いかもしれない。
純粋哲学というのは、世界はこうなのだ、と説明する学問なのだろう。
消費とは何かという話だった。
アイドルの消費について論文を書いて、その論を説明する機会があった。
その場で1年下のゼミの後輩から、消費って何ですか、と質問があったが、うまく答えられずしどろもどろになった。
…続きは次の機会に。