世間は受験のシーズンだ。
共通テストが近いのだそうだ。
我々の頃は、センター試験と言った。
もっと前は共通一次試験と言った。
私は浪人しているが、現役の時のみセンター試験を受けた。
試験会場は横浜国立大学で、雪が積もっていたと思う。
センター試験の日は毎年雪のイメージがある。
体育の日の逆だ。
横浜国立大学のキャンパスは堅いイメージで、市役所のようだと思った。
TBSの安住紳一郎アナは受験に苦労したようで、受験生に対して軽々しく頑張れなどと言わないようにしているとラジオで語っていたのが印象的だった。
私は受験生に俳句を紹介したい。
黒板にDo your best ぼたん雪 神野紗希
好きな句だ。
寒い受験のシーズンで授業を行っておらず、人がいない教室に、Do your best(みんなベストを尽くそう)と書いてある。
粋な受験生が書いたのだろう。
中七で、「どぅうゆあべすと」と英語を持って来たのも新鮮。
いかにも青春という感じ。
青春の句や歌は良いものだが、何年かしかない。
俳人や歌人が80歳まで作品を作るとすると、そのうちの10年間くらいか。
そのうち作品に恋人が登場し、子供が登場し、落ち着いた作品となる。
神野紗希も俵万智も河野裕子も栗木京子も佐佐木幸綱もそうだ。
これは俳句や短歌が日々の生活の影響を受けるからだ。
どんな芸術作品だって日々の生活の影響を受けるかもしれないが、その度合いが強い。
密接だ。
ある人の俳句や短歌に触れるということは、その人の人生に触れるということだ。
憶良らは今は罷らむ子泣くらむそれその母も我を待つらむそ 山上憶良
おじいちゃんの山上憶良が宴会を退席するのにとぼけて読んだ歌。