ジェフ・ベックが好きだ。
ジェフ・ベックが好きだと言っておけば一目置かれる。
絵画ではセザンヌが好きだと言っておけば間違いないのと一緒だ。
聴き初めの頃はクッキリしているエリック・クラプトンと比べてフニャフニャしているので好きではなかったが、ギターの雑誌などを読んでいると凄いという話ばかりでつい聴いてしまうという感じだった。
凄い努力と工夫をしているというのが垣間見えて惹かれるのだ。おこがましいが。
音が良いと思った。『Brush with the Blues』。
ストラトなのに太い音。
同じ音が出せる訳では無いであろうが、大人となった今なら頑張れば買えるのではないか、ジェフ・ベックモデルのストラト。
たいして弾けもしないから、必要ないか。
『Brush with the Blues』は新し目かもしれないが、当時日本公演をテレビでやっていて、何回も繰り返し見た。ジェニファーがいるやつ。
ニュースステーションにも出て、久米宏と話をしていた記憶がある。
気難しいと聞いていたが、優しそうだった。
爆笑問題の日曜サンデーに浅井健一が出た時と同じ感じ。
その何年後か日本に来た時は見に行った。大阪のどこだったかな。
今調べたら2009年大阪厚生年金会館、キーボードがジェイソン・リベロではなく、デヴィッド・サンシャス。ドラムはヴィニー・カリウタ、ベースがタル・ウィシュケンフィルド。
タルはまだそれほど話題になっていなかったと思う。もっとよく見ておけばよかった。
『レッド・ブーツ』もやったと思う。
しかしこの曲は原曲を超えられない。ドラムのせいで。
ヴィニー・カリウタだって馬鹿テク変態ドラマーだと思うが、原曲のナラダ・マイケル・ウォルデンの間の取り方みたいなものが病みつきになる。
原曲を超えられないのはキング・クリムゾンの『21st Century Schizoid Man』もだ。
これも原曲の「間」が病みつきになる。
マイケル・ジャイルズ。本人のライブ演奏でも原曲のほうが良いと感じる。
ジェフ・ベック好きなら、グッとくるのが『ベートーベンだねRock’n Roll』。
21エモンのエンディングテーマ。キョンシーの番組に出てたテンテンがボーカル。
21エモンのエンディングではイントロなしで始まり、これがまたいい。
どこにグッとくるのかといえば、「ドキドキするするのはジェフ・ベック」という歌詞がでてくるところだ。
サビなので同じメロディが何回か出てくるが、1度だけモーツァルトがジェフ・ベックに変わるのだ。
ベートーベン、シューベルトは変わらずに、1度だけジェフ・ベックに変わる。
ジェフ・ベックだけ特別扱いしている感が良いのだ。
作詞の川島だりあはロック好きなのだろうが、特にジェフ・ベックが好きなのだろうな、というのが汲み取れる。
来日しているときジェフ・ベックがどのような朝食をとったかということがどこかの文章に出ていて、スターバックスで無脂肪乳のラテとスコーンの組み合わせだったとあった。
今でも同じメニューで優雅にジェフ・ベックを思い出すことがある。