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ジェットストリームのボールペンが気に入っている。
滑らかに書け、殴り書きにちょうど良い。
一本に3色入っているものを良く買う。
ところでボールペンの短歌で有名なものがある。
ボールペンはミツビシがよくミツビシのボールペン買ひに文具店に行く 奥村晃作
これは、教科書に載るほどではないが短歌に興味があるとよく出てくる歌だ。
先日『はじめての現代短歌史』を読んだところ、この歌について「ほとんど何も言っていないかのような歌」と評されていた。
奥村晃作はこのような歌の名手で、承知の上で歌をつくっているのだ。
「ただごと歌」と言われるのだが、数ある「ただごと歌」の中でもボールペンの歌のすっとぼけ感が特に感情を揺さぶる。
知識をひけらかす恥ずかしい感じの逆。
ビジネスマンが横文字ばかり使う感じの逆。
しかし、それをあえてやって人々の心を惹きつけるのだから完全に奥村晃作の手のひらの上にいることになる。
寺山修司や塚本邦雄のキザで格好良い感じを裏切るスタイル。
調べて気づいたが、ジェットストリームはミツビシのものなのだった。
本当にミツビシがよいなあ、と思うのであった。