早稲田大学への通学は、朝6時半発の快速急行新宿行きを使っていた。
25年前の話だ。
新宿から高田馬場へ山手線、高田馬場から大学まで徒歩。
高田馬場駅から大学まで歩くことを馬場歩きと呼ばれていた。
バスを使えば4分、徒歩なら15分。
歩いて行くと途中古本屋がたくさんあり、現代詩文庫などを探すのが楽しかった。
1限開始には30分ほど早く着いてしまうが、この電車に乗らないと座れないのだ。
新宿まで1時間ほどなので、座れないときつい。
座って新宿まで寝るというのが習慣になっていた。
若かったから電車の中でもよく眠れたしそれほど苦痛ではなかった。
話は逸れるが、最近実家に帰った際に、相鉄線が東急に乗り入れることによって西早稲田駅へ電車1本で行けるようになったことを知った。
恐るべきことだ。
始発だから1時間半くらいずっと寝ていられる。
だが、このルートだと馬場歩きをしないので古本屋で詩集を入手するということはなかったかもしれない。
詩にここまで興味を持たず違った人生を歩んでいただろうか。
高田馬場は当時ラーメン激戦区で、ラーメンの食べ歩きをするようになったのはこれが影響している。
俺の空、べんてん、やすべえ、渡なべ、えぞ菊、メルシー、ぶぶか、純連、二郎。
天下一品も学生時代に高田馬場で初めて食べた。
胃がもたれる気がして、ご飯と一緒でないと食べられないと思うほど衝撃的だった。
今となっては全く違和感なく食べられる。
3か月に1回くらい食べたくなり、中毒性があると思う。
そして、今振り返ってみると、渡なべのラーメンの個性は差別化という意味で際立っている。
大きいメンマに濃厚なスープでありながら魚介の強烈な味。
天下一品と同じような衝撃を受けたが、こちらはチェーン店でないので簡単には食べられない。
友人や家族に食べさせてあげたいのだが、なかなか叶わず。
高田馬場はふらっと行って楽しめるような街ではないのだ。
新大久保ならまだ韓国グルメ食べ歩きのような観光要素があるのだが。
社会人になって、自分がどうやら食への興味が強いということがわかったが、これは学生時代に色々食べ歩いたからなのかもしれない。
早稲田の生協でモツ丼を売っていて、これが安くて結構美味しかったのを覚えている。
レトルトのモツをご飯にかけたようなものだった。
これはネットを検索してもなかなか出てこないのだが、ぜひもう一度食べたいものだ。