受験の時、哲学科に進むという選択肢はなかった。
就職に困るといわれていたからだ。
今でもそのように言われるのかはわからない。
確かに、就職してから哲学科出身の人には出会わない。
そもそも文学部出身の人には出会わない。
外語大出身の人にはよく出会う。
哲学科出身とか数学科出身とか格好良いと思うが、もう私の人生とは関係のないものなのかもしれない。
大学で哲学をやりたいのであれば、経済学部の経済思想や法学部の政治思想に向かえば近いものが学べるかもしれない。
しかし、カントやヘーゲル、ハイデガーをやるのであれば哲学科へ行かねばならないかもしれない。
社会学も哲学に近いと思うが、社会学部も扱いが文学部に近い気がする。
時代錯誤な考え方かもしれないが、昔ながらのサラリーマンをやりたいのであれば、サラリーマン養成学部と言われてきた経済学部を目指せばよいと思う。
結局大学では経済を学び経済学の学士となったが、たいして経済学のことはわからずに卒業してしまった。
経済学をかじった程度だ。
海外の大学ではこれでは許されないのだろう。
しかし、一昔前の学生運動が盛り上がっていたときは授業など出ずに卒業したという話をきくから、日本はこんなものなのかもしれない。
哲学もかじった程度ということが言える。
哲学への興味の変遷を記しておこうと思う。
・高校で現代思想の授業
1年生の頃なのでうっすらしか記憶にないが、先生はポケモンがすごく流行っている、という話をしていた気がする。
・受験勉強で政治経済を選択し、経済思想、政治思想の有名どころを少し
アダムスミス、マルクス、ケインズ、ホッブズ、ロック、ルソーなど
・大学の一般教養で、現代思想
中山智香子先生だった。今思えばこれがマニアックすぎた。
ドゥルーズの『マゾッホとサド』。バタイユ。レヴィストロース。ベンヤミン。アドルノ。
これらプラス、ナチスの関係でスーザンソンタグ。レニリーフェンシュタール。
そしてヴィトゲンシュタイン。
映画『ショア』も観た。9時間越えの映画。
ナチスの親衛隊の制服など、確かにスタイリッシュだな、などと思った。
レヴィストロースから、ソシュール言語学。
科学哲学でポパー、クーン、ファイヤアーベント。
バタイユから栗本慎一郎『パンツをはいたサル』。
・竹田青嗣の入門書から、フッサール。
・このあたりで少し前に流行った『ソフィーの世界』。
哲学史の復習のように読め、面白かった。
・経済学の方面から、ボードリヤール『消費社会と神話の構造』。遡ってヴェブレン、ウェーバー。
・ボードリヤールから東浩紀『動物化するポストモダン』。
・東浩紀からデリダ。
・ポストモダンとしてドゥルーズ、フーコー。
・ナチスの関係でレヴィナス。
長くなってきたので、またの機会にする。
今思えば中山智香子先生の現代思想の影響が強い。
アルチュセールなども。バタイユ『眼球譚』などもこの講義で知ったと思う。
変な世界を知ってしまった。
当時は興味深く読んだが、それが人生の役に立っているだろうか。
偏屈になっただけではないか。
などと言ったら元も子もない?
じゃあ何を学んだら人生の役に立つのか。
マネーリテラシー?
リベラルアーツを何のために勉強するのかという問いと似ているか。
教養が人生を楽しく豊かにするというタモリ的ノリで回収。
これは人生は楽しむためのものであるという事が前提だ。