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断酒

あんこを見直してみる

 あんことは餡子のこと。

 お酒をやめると甘いものが食べたくなるとはよく言われることだ。

 確かに甘いものを食べたくなる。

 お酒が飲みたい欲求に駆られたら、アイスを食べたらよい、ということを聞いて食べるようになった。

 コンビニで新作を見かけたら買って食べる日々を送っている。

 お酒の新作を見かけたら買って飲んでしまうことがそのまま置き換わった。

 とはいえ、アイスも食べ過ぎたら体に良くはないだろう。

 アイスよりましなのは和菓子ではないか。

 また、アルコールをカフェインに置き換えて、抹茶と一緒に和菓子を楽しむというのもなかなか風流なものだ。

 となると、これまでの人生でそれほど注目していなかったあんこに興味がわく。

 まったく興味がなかったわけではなく、ドリアン助川の『あん』という小説を読んで、美味しいあんことはどんなあんこなのかという興味はあった。

 『あん』という小説は映画化もされて話題になった。

 ドリアン助川って『正義のラジオ!ジャンベルジャン!』のドリアン助川。またの名は明川哲也。早稲田大学出身だ。

 明川哲也だったら『なやむ前のどんぶり君』が心にグッとくる名著だと思う。優しさを感じる。

 『正義のラジオ!ジャンベルジャン!』は人生相談の番組だったが、内容が重すぎて聞いていられなかった。

 あんこが気になりだして、さっそく今日阿闍梨餅を買ってきた。

 京都名物阿闍梨餅。関西に住むようになってその存在を知った。

 抹茶と一緒に食べたかったが、久しぶりに缶を開けたら酸化していたので、インスタントーコーヒーの豆乳割りと一緒に食べた。

 若いころには気づかなかった美味しさだった。内臓に優しそうな味。

 同じ店で羊羹も買ってきた。

 ピザこそチーズそのものと言われるように、羊羹はあんこそのものだ。

 羊羹を美味しいと思えるようになったら本物だと思う。

 あんこや羊羹など和菓子として古くから現在にいたるまで続いているので、美味しく尾国の深いものなのだろう。

 美味しいあんこ、美味しくないあんこが分かるようにあんこ界隈にアンテナを張るようにしたい。