貧富の世界が拡大していると言われる昨今、クラスの裕福な家の子というのは存在するのか。
とても裕福であれば、公立の学校など通わせず私立に行かせるので普通に生きていたら遭遇出来ないのではないか。
漫画の世界では定番だった。
藤子不二雄の世界ではスネ夫やトンガリだ。
親の年齢になって分かるのは、私立の中学や高校を目指している子裕福な家の子だということだ。
私立の受験をするために塾へ通っている。
40年前の小、中はそういう子がいた。
当時は気づかなかったが、家計に余裕があるので塾に行かせるのも余裕だ。
ところが高校になると話が変わってくる。
公立の進学校に進んだため、この高校なら私立へ行かなくても良い、という人たちが一定数存在していたように思う。
当時は学区制だったので入りやすかったが、本当にすごい人は学区外枠で入ってきたりしていた。
優秀な人が多かったし、別荘地のような良いところに住んでいる人が多かった気がする。
ある人に家に招かれたことがあったが、アトリエ付きのすごい家だった。
本当にすごい人は塾など行かずに勉強もできた。
そういう中で知っている人は早稲田に現役で行き、そのまま岩波書店へ行った。
ラカンのセミネールの編集に関わったと言っていた。
もうやめたと聞いたが、そういう人たちの脳は一体どうなっているのか。
高校では早稲田塾へ行っている人が多かった。
広告では自習室がカフェ風で、行ってみたいなと思わせるようなオシャレなものだった。
早稲田大学に入学すると、都内の進学校から来ている人と、地方から出てきて下宿している人がいた。
地方から来ている人は当然優秀だが、奨学金をもらいながらバイトもしている人が多かった。
バイトせずに親からの仕送りだけでやっていた人もいたと思うが、そういう人とは出会わなかった。
特に地方から出てきた裕福な家の女などは、親の心理からすると心配だから、セキュリティ面で安心な高級マンションに住まわせたいと思うのだがどうだろう。
女子寮に住んでいると言っていた人はいた。
その子はロイヤルホストでバイトをしていると言っていた。
寮には門限があり、門限を破ると何かしらのペナルティがあるらしいのだが、クリスマスイブなどは門限を破ることで逆に箔がつくという話だった。
くだらないとは思うが理解できる話ではある。
意中の子がクリスマスイブにシフトが入っていることで彼氏いないのだと安心するとか。
逆に彼氏などおらず1人で過ごすのに、見栄でシフトに入らないとか。
あるいはこういう見栄などとは全く無縁の子。
こう言う子を気にする男が主人公の登場する漫画や小説。
ここまでが大学までの話だが、裕福な家の子は大学を出た後どうなるのか。
わからない。
そう言う人と出会ったことがない。
医者や弁護士、裁判官になるのか。
外交官とかか。
特に女性。
時代錯誤な考えだが、女の子の親としての立場からは、個人的な思いを記すと、もしお金が余るほどあれば就職などせずに近所のいつでも会えるところにいて欲しいのではないか。
資金の援助はいくらでもして、裕福な家の子とのお見合いなどさせるとして。
そんなことをせずに、一所懸命勉強して世界で活躍して欲しいと思うものなのだろうか。
親からのお見合いの話を嫌がる娘の物語はありがちで想像できる。
過保護に育てると、子供自身がその枠から飛び出したいと思うようになるのだろうか。
イージーモードの人生なのに、そこから抜け出してチャレンジしたいという欲求。
オノヨーコはこれにあたるのか?
だとしたら偉大であることには間違いない。
きっとビートルズファンからはひどく言われて想像できないほど辛い思いもしただろう。