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陶器

コレクションとしての曜変天目

 関西に住んでいると曜変天目をコンプリートしやすい。

 コンプリートすると言っても取得するわけではなく、見るだけ。

 国宝なので取得は難しいだろう。

 ぬいぐるみなら取得できる。曜変天目茶碗のぬいぐるみ。5,800円。興味がないでもないが少し高い。

 ハシビロコウのぬいぐるみなら持っている。1,500円くらい。

 曜変天目は信じられないことに世界で4点ほど存在し、すべて日本にある。

 中国で作られたのにそういうことになっている。

 静嘉堂文庫美術館、藤田美術館、大徳寺、ミホミュージアム。

 このうち静嘉堂のもの以外関西にあり、すべて見たことがある。

 大徳寺のものはなかなか見られないのだが、2019年にミホミュージアムの展覧会で見る機会に恵まれた。

 もちろん美しいが、表面が傷っぽいと思った。

 ミホミュージアムには、別に油滴天目ではとも言われる曜変天目がある。

 他の3つは国宝だが、これだけ重要文化財だ。

 確かに国宝となっている3つほどの派手さがないのだが美しい茶碗で、曜変天目ではない、と言われたところでムキになることもないと思う。

 藤田美術館のものも当然美しいが、高台脇のあたりにぽってり釉薬が垂れた感じになっているのが残念だ。それが味と言えば味なのだろうが、スタイリッシュではない。

 藤田美術館のものはなぜかあまり集客力がない。当たり前に美術館に存在し、当り前に見られる。

 一方で、見たことのない静嘉堂文庫のものは、曜変天目の代表的存在で、曜変天目の写真は大体静嘉堂文庫のものが使われる。大々的に扱われる。

 見たことないので何とも言えないが、写真を見る限り斑紋もダイナミックで色がきれい。そしてシュッとしている。

 なかなか見る機会に恵まれないが、ぜひとも見たい。死ぬまでに見ておきたい。

 国宝や重要文化財となった今ではあり得ないが、ある時期まではこの茶碗で抹茶が振舞われたのだろう。

 お茶会で抹茶、カフェインを摂取するのは、一種のトリップする儀式だ。

 その儀式にこの宇宙的な曜変天目を使ったら、神秘的な経験になりそうだ。

 そんなことを夢想しているのだが、曜変天目が使用されたお茶会など文献的に残っていないのだろうか。

 この夢想している神秘的な経験は、絶対に経験できないということもなさそうだ。

 曜変天目を再現している作家さんもいる。100万円以上の値がついているが、イベントに巻き込まれることができれば、現代の曜変天目でカフェインを摂取できるかもしれない。

 これは死ぬまでの目標にしておこう。

 少し茶道をかじっていた経験から、天目茶碗でお茶をふるまう天目台を使うはずなので、天目台で出されたお茶の飲み方を勉強しておく必要がある。

 曜変天目を自分で作るというのも夢がある。家庭用、100Vの窯で。

 レシピのようなものは出てこないが、蛍石のフッ素が関係しているとの噂がある。家庭で追及するのには無理があるだろうか。